Cycling74 | Max(Max/MSP)| サウンドプログラミング環境Maxの概要を解説

今回は少しアカデミック(マニアック?)なテーマです。

私の大好きな電子音楽家やメディアアーティストがこぞって使うMaxという開発環境について解説します。

正直私も基本的な部分しかわかりませんので、記事を増やしながら深掘りしていきたいと思います。

初回はどんなことが出来るのか?など全体像の解説です。

興味があるけどまだ使ったことがない方や、この記事で興味が出てきた人のお役に立てれば幸いです。

目次

MAXを使っているアーティスト

「まじか!?自分も勉強したい!」と思ってもらうために、概要の前にこういうアーティストたちが使っているよというのを挙げていきます。

・秋田昌美(メルツバウ)

・リチャード・D・ジェームス(エイフェックス・ツイン)

・オウテカ

・高橋悠治

・坂本龍一

・ジョニー・グリーンウッド(レディオヘッド)

他にも素晴らしい音楽家たちが使っているのですが、その中で一般的に知名度が高い人を挙げてみました。

使っている人を深掘りしていくと、ミュージシャンというより音響研究家のような方々も多いです。

Maxの歴史 Max/MSPとは?

1988年にフランスのIRCAMという音響研究所でミラーパケットという研究者によって開発されました。

1989年にOpcodeという会社にライセンスが提供され、1999年からCycling’74というサンフランシスコにある会社が開発と保守を行っています。

現在のバージョンはMax8ですが、バージョン4まではMax/MSPと呼ばれていました。

Maxの情報を知りたくてネット検索する時など、Maxというワードが一般的すぎて思った結果が得られません。

この「Max/MSP」という呼び方はユーザーの間で定着していたので、「Max/MSP」で検索することをおすすめします。

日本での輸入代理店はMI7という会社で、Music EcoSystems STOREというページで日本版をダウンロード購入できます。

Max 8 | Music EcoSystems STORE

MAXの概要

Wikipediaから引用すると以下のように書いてあります。

Cycling ’74が開発・保守している音楽とマルチメディア向けのグラフィカルな統合開発環境(ビジュアルプログラミング言語)である。

わかりにくいと思いますし、なるべく音に特化(実際には映像にも使えます)して書いていきたいと思います。

音を出すためのプログラミング言語なのですが、最大の特徴はテキストで書かず、オブジェクトと呼ばれる命令を書いた四角い箱をパッチコードと呼ばれる線で繋いでいきます。

例えば下の画像のように「Hello, world」と書いた箱と「Print」と書いた箱を線で繋ぐと右側のエリアに「Hello, world」と表示されます

音楽に置き換えてざっくり書くと

「この音」を「このタイミング」で「この大きさ」で鳴らしなさいと指示するオブジェクトを作って繋いでいくイメージです。

Maxには音源もシーケンサーもありません。

全てはゼロからですので、何もかも自分でゼロから作る必要があります。

音を最大限に分解していくとサイン波(アナログシンセ使いの人にはおなじみ)になりますが、そこまで分解して音を作れます。

シーケンサーやシンセサイザーも自分で作るわけだから、完全に自分だけのオリジナルを作れます。

理屈では無限になんでも出来てしまうイメージで、そこが最大の魅力です。

とてもハードルが高く感じてしまいますが、反面知的好奇心をとてもくすぐってきます。

そして、バージョンアップするたびに使いやすくなるし、日本語での情報のずいぶん増えました。

私もずいぶん昔に挫折した派ですが、このブログをきっかけに再度チャレンジしてみます!

世界中のユーザーでパッチを共有

オブジェクトをパッチコードで結んだものを組み合わせてひとつのファイルのような状態になったものをパッチと呼びます。

シンプルなものでもものすごく複雑なものでもパッチです。

このパッチを世界中の多くのクリエイターが共有してくれています。

公式のパッチ共有サイト

Maxの解説書

情報が増えてきたとはいえ、体系的に勉強する教材が少ないのも事実です。

また、古いものが多いですが、Maxの基本の考え方は同じなので、必携です。

以下におすすめの書籍をあげます。

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